東京のど真ん中にスケートリンクがある意味(1)
高田馬場駅から歩いて10分のところにあるシチズンプラザアイススケートリンクが、2021年1月31日で閉鎖されようとしています。
東京都内のスケートリンクがまた一つ、失われることになります。
スケートリンクには何種類かあります。非常に大雑把に分類すると、年間を通して営業している通年リンク、冬季限定リンク、同じく冬季限定リンクですが本当に寒い時期だけの屋外リンクなど。
シチズンプラザのリンクは、このなかの通年リンクです。一年を通じて練習ができる屋内リンクです。
東京都内のスケートリンクは現在、シチズンプラザに加えて、新国立競技場のすぐそばにある明治神宮外苑アイススケート場、東伏見のダイドードリンコアイススケートリンク、東大和の東大和スケートセンター。
これに加えて、10月から翌5月までの冬季のみ、江戸川スポーツランドにもスケートリンクが営業しています。
もちろん、全国には1つも通年リンクがない自治体などたくさんあります。そう考えると、「なんだ、たくさんあるじゃないか」と思われるかもしれません。それもわかります……。
しかしながら東京は、全国で最も人口が多く、全国で最も子供の人口が多い自治体です。
当然ながらスケート人口も多く、現在でも各リンクは飽和状態です。
シチズンプラザのリンクのフィギュアスケーターに限定すると、所属クラブ生は200人、スクール生は約600人、これに加えて東京大学や学習院大学、お茶の水女子大学、東京外語大学など、大学スケート部の練習拠点にもなっていて、100人近い大学生が日常的に練習しています。
もちろんスケートはフィギュアスケートだけではありません。
1975年から高田馬場を拠点に活動している「高田馬場アトムズ・アイスホッケークラブ(旧シチズンジュニア・アイスホッケークラブ)」の小中学生の登録メンバー66人も、シチズンプラザで練習に励んでいます。
ここまでの利用者数をざっと合算しただけでも1000人を超えます。
このほかにも、一般滑走の時間、夕方から翌朝までの貸し切りの時間帯に、じつにさまざまなスケーターがシチズンプラザのリンクを利用していることを考えると、このリンクが失われたときに、練習場所を求めてさまようことになる人がどれほど出るか、想像できるというものです。
こうした人々は、これまで普通に「日常生活」のなかにあったスケートを、失うことになるのです。