昔々、高田馬場にスケートリンクがありましたとさ

高田馬場のシチズンプラザアイススケートリンクが閉鎖されました。スケートを愛する大人スケーターが、氷上スポーツの今後について考えます。

スケートリンクはもう「ECO」の時代です

引き続き、署名活動行っています。

ご協力、拡散、お願いいたします。

www.change.org

 

さて、前回は東京のスケートリンクについて、現在は複数あるけれど、多くがこれから機材の更新時期に向かっていく。どうなっちゃうんでしょう、シチズンプラザの閉鎖は、決してシチズンだけの話じゃないよという話を書きました。

 

それを考えるとき、高額な電気代など運営費の赤字や、老朽化およびフロン廃止に伴う機材更新時に必要となる巨額の投資が、スケートリンク経営を続けるか否かを判断する材料となっているのは紛れもない事実です。

 

でも、じつはスケートリンクが必要とする電気代は、このところの技術革新でかなり少なくなっているといわれています。

 

下にリンクを張った雑誌には、日本でも多くのスケートリンクを管理運営しているパティネレジャーの経営者などにインタビューした記事が載っています。

 

それによれば、過去には最高で550ほどもあった日本国内のスケートリンクが閉鎖された主因の一つに、電気代の負担があったけれど、最新の冷凍機材を使えば電気使用は従来の半分ほどになり、さらに太陽光パネルを導入することで、電気代負担を1割ほどに抑えられているリンクがあるとか。

 

 

issuu.com

 

(22ページからを参照) 

1割って!?すごくないですか?もちろん、太陽光パネルで発電した電気を使っていたり、あるいは発電した電気を売電して得た収入と相殺してということでしょうけれども、それさえ導入できれば達成が可能だということです。

 

とってもエコな生活をしている人からみれば、スケート愛好者なんてお金を浪費するのみならず、地球環境の敵みたいに見られていましたが、最新の環境が整えられれば、もうそんな肩身の狭い思いをすることもないんじゃないかと思います。

 

リンクの経営という視点で見ると、つまるところ、新機材を入れる費用とあとはアイディア次第、いかに利益を増やしていくかというところが課題ってことになるのではないかと思います。

 

そこまでしてリンクを残す必要があるか?って言われてしまいそうですが。

何度でも言いたいんですが、スポーツをすることは決して、道楽とか贅沢とかではありません。

スポーツをすることは、生きることでもあります。

健康のため、体を鍛えるため、という部分がまずあります。

それから、心を育てるためでもあります。それは子供だけじゃなく、大人にとっても。何かを達成するために考え、工夫する心。

根気強く、挑み続ける心。

同じ目標を目指す仲間を称える心。

教えを受けるものとしての心。

頑張った自分を認める心。

もう一つ、心を癒し、救うものでもあります。

前の記事で紹介したジーさんのように、辛い思いをしている人はたくさんいます。

自分が健康の問題で苦しみながらも、スケートで救われている人もいます。

文字通り、死の恐怖と闘いながら、可能な限り体を動かし続ける人もいます。

さらに、人の輪を広げるものでもあります。

 

日本はたいていの人が好きに病院に行ける環境はありますが、よほどの努力をしなければスポーツをやり続けることはできない国でもあります。

努力というのは、やる気でもありますが、最も大きな壁となるものを2つ挙げるならば、それは「お金」と「時間」です。

お金と時間がなければ、スポーツを続けるのはよほどのことでなければ難しい。

だからこそ日本では、スポーツは贅沢だ、道楽だといわれてしまうのです。

 

本当はそんなのおかしい。もちろん、みんなが絶対スポーツをするべきだと言っているのではありません。でも、できれば何かしらの形で体を動かした方がいい。

それがきっとその人の幸せにつながることだというのは、スポーツを続けている人間だからわかることだと思っています。

別に、走らなくてもいい、ボールを使わなくてもいい、スケートでなくてもいい。

心のなかから楽しい、もっとやりたいと思えるものが見つかって、それを続けてやれる人は、きっとその意味がわかると思います。

 

身も蓋もない話ですが、

結局のところ人間は、血液を巡らせることによって体の隅々に酸素と栄養素などを行き届けさせることで活動の動力としている、動く袋のようなものです。

じっとしていれば、そりゃあ酸素も栄養も滞ります。動くことが少なければ少ないだけ、筋肉というポンプも動きが鈍くなるので、さらに必要なものが廻らなくなる。

そうするともっと動きたくなくなる。脳もやっぱり血液を廻らせることでうまく動くものなので、体を動かさなければ脳の働きも鈍くなる一方なのは当たり前のこと。

何かの形で体を動かして血の廻りをよくすれば、案外気持ちも軽くなったりします。

 

だから、スポーツをすることは生きることなのです。

人間らしく、その人らしく、生き続けることなのです。

そしてこれは、もっと一人ひとりの人の権利として、強く認識されてもいいことなんじゃないかと思うのです。

 

いまやあらゆる国家、企業、団体などが、これ抜きにはやっていけないというものの一つに、2030年までの達成目標として掲げられた持続可能な開発目標「SDGs」があります。

17の目標が掲げられていますが、スケートリンクには以下のような項目が関係してくるのではないかと思います。

スケートリンクが存在し続けるべき理由と、

スケートリンクが存在し続けるために達成するべきこと

その両方が含まれていますが。

3.すべての人に健康と複素を

4.質の高い教育をみんあんい

7.エネルギーをみんなにそしてクリーンに

8.働きがいも経済成長も

11.住み続けられるまちづくりを

13.気候変動に具体的な対策を

www.jp.undp.org

みんながコミュニケーションによって知恵を出し合い、よりよい社会をつくっていこうというのが、これからの時代の基調になっていくはずだといわれています。

理想論ではありますが。

 

生きるためのスポーツに、できるだけ多くの選択肢が用意され、みんながより多くの選択肢から、自分に合ったものを選べる社会になることを祈るばかりです。

 

そして願わくは、その選択肢のなかに、アイススケートも含まれ続けていきますように。